なぜ「eco門」なのか なぜ「好きだっ茶」なのか、どうして携帯粉末容器を発案したのか
仕事をもらえる事に感謝して「喜ばれる創造」を第一に考え、プロ意識と責任を持ち29年
弊社は、静岡県島田市の茶産地にありに茶工場の身近な溶接屋として開業。
茶生産者から数々の茶機械や茶工場の改良を求められ希望に沿った物作りをしてきました。
時代の流れで、5-6年前から食品工場と同じ様に茶工場の「安全・安心・信頼」など言われてきました。
そんな時、地元の茶工場より工場の開口部にメッシュの取付依頼の仕事が飛び込んできました。
窓には、住宅と同じ様にサッシ用の網戸を取付け完了しましたが、飛来昆虫や小動物、ホコリ、ゴミが工場内に入らないようにシャッターや鉄の扉にも網を取付けて欲しいと依頼を受けました。
従来までの工場では防虫対策としてカーテン式で上にワイヤーを通して左右に引っ張り虫の入らない対策をしていましたが上に付けたワイヤーがたるみ両サイドや下端部が風にあおられ隙間が出来てしまい効果は得られませんでした。
さらに最悪な事に、シーズンオフには束ねた網が雨、風に当たり虫が卵を生み集り始めました。
そこで、自動スクリーン、高速スクリーンを勧めると頻度と高価の為、不要との答えが返ってきました。
それならと思考錯誤を繰り返し完成したのが電気代もかからず、安価な「手動スクリーンeco門」です。
手動スクリーンeco門の特徴は、
- 簡単設置
- 電気代や維持費がかからない
- シーズンオフ時のメッシュ、シートの収納
- 風にあおられても下端部が巻き上がらない
- 文字やロゴを入れる事で外部へのアピール
- 四方の気密
- ファスナーを取り付け最小限の開閉
- オーダー寸法なので現場での溶接作業が無い
- 用途に合わせたメッシュ、シートが選択可能
- 安全で簡単操作
- 内部からはすっきりとした解放感
- 現場の声を聞きながら作り上げたeco門です
茶工場などでは熱が発生され高温状態での作業になり、シャッターや扉の閉めた状態での作業は、作業者の安全が確保されず、お茶の葉にも良い影響が出ません。
eco門を取り付ける事でシャッターや扉を開け作業が出来るようになり、光と風がメッシュの網目から差し込み作業者の安全が確保されます。
また、作業者の安全意識が高まり品質向上にもつながったという声も聞こえるようになりました。
eco門の開閉は手動で行うため、開口幅4mまではチェーンの手巻きで容易に出来ますが、4m以上になると手巻きが困難になります。
そこで作業者が安全且つ容易に開閉が出来る、eco門専用ウインチ「ヒーロー」を考えました。
操作部に「ヒーロー」を取り付ける事で開口幅11.5mまでeco門の取付が可能になりました。
これらは、お客様からの声を参考にして形にしてきました。
- 手動で開閉を行いCO2を排出しない
- 自然に差し込む光を工場内に取り込むことで明かりを確保
まさに、現場の声から生まれ、現場の声が育てた手動スクリーン「eco門」なのです。
現在、茶工場では食の安全・安心、環境などをまとめた「GAP」を取得する工場が増え全国でeco門を取り付けて頂けるようになってきました。
しかし近年、茶生産者から耳にするのが お茶の需要低下と低迷でした。
私は、茶生産者からの提案で独自の製品eco門を作り上げました。
今度は私から茶生産者にアイデアの提案をしようと考え始めました。
第一に考えたのが「好きだっ茶」というキャッチフレーズでお茶のイメージアップを狙いにメッシュに書き上げ、看板を作成しました。
好印象を与えたかは解りませんが、「アニメキャラクター ラムちゃん?」という印象は残ったようでした。
しかしこれだけでは活性化につながらず お茶を消費するにはどうしたらいいのかと考えるようになりました。
2008年12月、新聞紙面に「エコ」と「携帯」が流行語と書かれていました。
「これだ。」
ふと頭に、スティック粉末とボールペンが浮かびあがりました。
まずはスティック粉末。
誰もが経験しているとは思いますが、スティックシュガーなどは、一度開けると半分使って捨ててしまい丸めたスティックを開いて次回使う人は少ないのではないでしょうか。しかも毎回ゴミになる。
これはエコではない。
そしてボールペン。
ポケットサイズで邪魔にならないで持ち歩ける。
男性なら胸ポケットへ、女性なら小さなバック、化粧ポーチにも入れる事ができる。
そこで手元にあった粉末茶をボールペンの中に入れてみる事に。
アイデアは良いが粉末が出にくいことと、充填がネックに。
そんな時、友人と居酒屋へ。
そしてボトルにサインしたペンをみて、これなら使えるのではないかと思いました。
ペン先にマヨネーズの容器と同じ素材のポリエチレンを使用し、つまむ事で中の粉末が出るように、また透明なので残量の確認が出来るようになりました。
そしてボールペンより太いのでこれなら充填もできる。
部品全てに食品の適合を受け、粉末緑茶を入れて使用してみました。
スムーズに粉末が出てくる。緑茶も1本で24杯飲む事が出来る。
中身が無くなっても粉末を詰め替えることで容器は半永久的に使う事が出来る。
ペン型なら手に馴染みもあり、携帯に便利だ。
「携帯」ができ「エコ」である。
私の思いがすべて叶った携帯粉末容器が完成しました。
名前もキャッチフレーズで考えた「好きだっ茶」をそのまま使用する事にしました。
消費拡大のため、詰め替え用のパックも販売することにしました。
ボールペンに比べれば充填がし易くなったものの、ペン型の容器に充填する事はやはり容易ではありません。
そこで、詰め替えパックに付いている凸凹のチャック部分にはめ込む携帯粉末容器専用のろうとを製作しました。
この専用ろうとを使用すれば、粉末がこぼれる事もなく、手軽に携帯粉末容器に充填することが出来ます。
現在では好きだっ茶の購入者も増加し、茶生産者様からの空容器の注文もあり、低迷している茶業界の発展に微力ですが貢献できているのではないかと思っています。
最後に、これからも進化して行く商品「eco門」「携帯粉末容器」になって行く事と、「喜ばれる創造」をしていきます。
有限会社浅原工業
代表取締役 浅原克好